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小さな集落から、まだない未来をつくっていく。 点々で働く人、これから働く人へ。

Brand Story 2026.08.31

小さな集落に、これからどんな風景を残していけるのか。

正解のない場所で、自分たちがやりたいことを形にしていく。失敗するかもしれない。それでも、一つひとつ手を動かしながら、自分たちなりの答えをつくっていく。

2024年に生まれた小さな会社、点々。これまでどんなことを考え、どんな人たちが働き、これからどんな未来を描いていくのか。

点々の代表取締役・鈴木宏平と、取締役・羽田知弘。そして新卒で入社した六峰日湖が、ここで働くことについて語ります

 

点々は、何をつくる会社なのか。

六峰:まず、点々はどんな会社なのかをお二人にお聞きしたいと思います。そもそも、点々を始めた理由を知りたいなと思って。

羽田:もともと僕が2022年に独立して、デザインとか編集業をやっている傍ら、平飼いの養鶏をずっとやりたいと思っていて。いざやりますとなった時に、最初は卵を中心とした農産物のブランディングを、鈴木さんとNottuoにお願いしたいという相談をしていたんです。

その時に鈴木さんが、「だったら一緒に会社つくってやろうよ」って言ってくれたのが、点々設立のきっかけですね。

鈴木:俺が一緒にやろうって言ったのは、ずっとデザインをやってきていて、デザイン業ってどっかで机上の空論感があるなと思っていたから。自分自身は事業主体ではなくて、実業をやっていないことへの、ある種の後ろめたさみたいなものをずっと感じていた。

実業のデザインを扱う者だからこそ、自分自身も実業をやらねばならんのではないか、という思いもあったんだよね。そのタイミングで、羽田君がこの地で第一次産業をやる。これはクライアントワークとして関わるんじゃなくて、自分自身も事業主体として取り組んでいくべきだなと思って。本当にタイミングが合致したんだと思います。

羽田:俺は養鶏で事業をつくろうとしていたけど、鈴木さんが一緒にやってくれたおかげで、「1個100円のいい卵ブランドをつくる」みたいな話ではなくなった。小さな集落を拠点にしながら、そこにある自然の中からどう商品を生み出していくのか。どう外の人に届けていくのか。ゆくゆくは、飲食とか、レストランとか、宿とか、食品加工とか。やる領域が広がった感じはありますよね。

 

率直に、作って売るのは超難しい。

羽田:ぜひ鈴木さんに聞きたいんですけど。デザイン業がクライアントワーク主体である中で、実際に卵を中心に点々というブランドをつくって、作って売るのってどうですか?

鈴木:率直に、超難しいですよ。

羽田:Tシャツと違って腐りますからね(笑)。

鈴木:そうそう。普段デザインの仕事をやっている中で、自社でプロダクトをつくること自体は実は結構簡単なんですよ。ちょっと投資すればつくれる。でも、点々は生き物を相手にした長いスパンでの取り組みとして「ブランド」をつくるのだから、リアルなビジネスとして成立させなきゃいけないし、ちゃんと利益を出さなきゃいけない。そうなってくると、デザインだけを扱っていた立場から、2、3歩踏み込んでいかなきゃいけない。そこまで入り込むことはすごく重要だなって、改めて感じるね。鶏が鶏舎を駆け回る様子

羽田:365日卵は産まれるし、必ず発生し続ける在庫を売り続けないといけない。売り続けるために、販路も開き続けないといけない。D2Cって簡単に言うけど、四の五の言ってられないぞっていう。

鈴木:でも、こういうリアルなビジネスをちゃんと成立させることも、デザインなんじゃないのかなと思うんです。表面をお化粧することだけがデザインじゃなくて。点々としてやっているのは、別に卵を売ることだけではない。卵を売ることを通して、どうやってこの田舎とか里山を未来に受け継いでいくのか。それを実装させるための会社だと思ってる。

 

なぜ、「点々」という名前なのか。

羽田:そういうデザインを生業としてやってきた鈴木さんが、時間をかけてでもちゃんと風景をつくっていくぞ、この土地に住んでいる者としてちゃんとやっていくぞ、という。

その長い時間をかけてやっていくという意思表示自体も、「点々」という名前に含まれている気がしているんですが。

なんで「点々」っていう名前なんですか?

鈴木:結局、俺らがやってるモデルって、本当に小さな点でしかないと思うんだよね。売上1億とか3億をつくったとしても、それだけで社会が変わるわけじゃない。でも大事なのは、俺らが単体ですごく大きな規模をつくることではなくて、こういう土地だからこそできる取り組みが、日本中とか世界中に広がって、「自分もこの地でやるぞ!」っていう、小さなプレイヤーとして広がっていくことなんじゃないのかなと思っていて。

我々の取り組みが、点々と続いていく。点々と広がっていく。

それが最初に「点々」とネーミングした時の大きな意味合いですね。実際にロゴマークをつくる時も、お米をモチーフにして。一粒の米から苗が育って、たくさんの新しい米が実るように。自分たちの取り組み自体が未来に広がっていく。そんな願いも込めています。

六峰:「半径1kmの風景をつくる」っていうコンセプトも、それが点々と広がっていったらいいなっていう感じなんですか?

鈴木:そうだね。半径1kmって、ものすごくちっちゃいじゃない。でも、自分の足で歩いて回れる距離感っていうのは、自分ごと化できるんですよね。

自分が住んでる場所に対する愛着を持てる。そういう距離感でやってることが、やっぱり点々なんだよなと思っていて。

いきなり社会を変えることはできない。でも、その前にまず、自分たちが住んでるこの場所をどれだけちゃんと保っていけるか。そこにコミットできるか。

それが「半径1kmの風景をつくる」ということだと思っています。

 

何者でもないから、全部吸収したい。

羽田:日湖さんは最近、どういうこと考えてるの?

六峰:最近は、定期購入を増やしたいっていうのが一番大きいです。そのために販路を増やしたいし、SNSも頑張りたい。出会う先を増やして、そこで点々のファンになってもらう人が増えて、定期購入につながっていったらいいなって。そういう思いで一生懸命やってるんですけど、めちゃくちゃ難しいです。

鈴木:新卒で、デザイナーという肩書きで入っているけど、やってる業務はデザインだけじゃないじゃないですか。むしろ、デザインじゃないことの方が多い。その辺はどうですか?

六峰:自分的には、すごい面白いなって思えます。将来的にはブランディングをするデザイナーになりたいなって思っているんですけど。点々に入った理由も、インハウスだからこそ、ブランディングをしてもらう側の気持ちが知れるかもしれないと思ったから。実際にマーケティングとか、新規開拓とか、いろんなことを考えながらやっているから。そういう視点でアドバイスもできるデザイナーに、将来自分がなれるかもしれないっていう思いですごく楽しいです。今、自分がまだ何者でもないっていうか、何もできない人っていうのが、逆にモチベーションなのかもしれない。

鈴木:全ては血肉になるぞ。

六峰:そうです(笑)。全部吸収できるから面白い。なんか、全部知りたいと思います。

 

点々に来なかったら、狩猟免許なんて考えなかった。

羽田:狩猟免許も取ったじゃないですか。どういう心持ちなの?

六峰:最初は、点々に入ったし、村でしかできないし、取ってみたいぐらいの気持ちでした。でも正直、自分が動物をやれるかはわからないです。その時、自分がどう思うのか。食べ物に対してどう思うのかも、動物に対してどう思うのかもわからない。トラウマになるかもしれないし、ならないかもしれない。「これは食べ物で美味しい」って思うのに殺すのは嫌だって思う人かもしれない。自分がどう感じるんだろうって思います。

羽田:この点々というブランドの中の人が、戸惑いながらも狩猟免許を取って、鹿を獲ってみたいと思う。そのプロセスとか、心情の変化自体が大事なのかもしれないですね。

六峰:本当に、村に来なかったら、点々に入らなかったら、多分1ミリも考えたことなかったんです。狩猟免許を取りたいなって。

 

こんな村に来て、働く理由。

鈴木:デザインがしたいだけだったら、いくらでも選択肢はあるじゃないですか。いろんな会社があるし、いろんな事業がある。そういう中で、なんかわざわざこんな小さな村に来て、デザインだけじゃないこともいっぱいやらなきゃいけない会社で働く。考え方によっては、すごく遠回りになるはずじゃない。でも、それを日湖はどう自分の中で咀嚼して、日々を楽しんでるんだろうなって。

六峰:難しいですね。楽しんでるけど、何をモチベーションにしてるんだろう。でもやっぱり、今の自分にはまだ何もないからこそ、全部知りたいんだと思います。今は何でも吸収できる。だから、面白い。

羽田:なんか、日湖さんは一人で淡々と黙々とやるっていう感じよりも、人と一緒にやってた方が楽しそうだよね。西粟倉には、移住してきた同世代の人も多いし。

六峰:それはありがたいです。関わる機会が多いんですけど、西粟倉にいる人は面白いです。みんな変な人が多すぎて、普通の自分が逆にコンプレックスになってきました(笑)。

羽田:でも、それは俺もすごく思って。西粟倉の好きなところって、自然がいっぱいとか、そういう話じゃなくて。どうやって飯食ってんのかわかんないけど、自分の人生を楽しそうに生きてるやつがいっぱいいる。俺もまだ頑張れるなって思える。

 

これから、点々は何をつくっていくのか。

六峰:私が今、働く面白さみたいなのを伝えたけど、お二人はありますか?点々で働く面白さそしてどんな人と今後一緒に働きたいか。

羽田:今後の事業計画も含めてなんだけど。点々をつくった時は、まだ「こんなことまでやったらいいな」ぐらいだった。でも、お金借りれるのかなとか、卵本当に売れるのかなとか。そういうことを思いながら始めた。今は、養鶏業単体で言えば、耕作放棄地を再生して、鶏舎をつくって、餌を製造する設備や洗卵機も入った。販路さえあれば、3,600羽の体制まで持っていけるところまで来ています。

そして今後は、鶏の糞を堆肥化して肥料にする。企画外の卵を加工して、お菓子やマヨネーズにする。食鳥処理場をつくって、鶏肉を扱う。飲食店や宿泊施設もつくっていく。まだ全部が決まっているわけじゃないけど、売上を積み上げて利益を残すことで、次のことに挑戦できる状態になってきた。

振り返ってみると、この1年半、2年ぐらいで、想像よりもいいスピードで進んできたなと思います。その中で、俺らも正解はわからないし。正解っぽいことは、もはやAIが答えてくれるから。だから、「こうやったらうまくいく」とか、「こうやるべき」とかはどうでもよくって。「俺、これやりたいんすよ。うまくいくかわかんないけど、やってみたいんですよ」っていう気持ちと、実際にやるかどうかが、なんか全てだと思っていて。その個人の情熱とか偏愛を、どう形に落とし込むのか。そこを一緒にやれる仲間に出会えたらいいかなって。だから、コスパとか正論とかいらないっす。

鈴木:何が面白いんだろうなって、今ちょっと羽田君の話を聞きながら思ったんだけど。やっぱり、圧倒的なリアリティなんじゃないのかな。答えがない中で、何が正解だったかっていうのは、やった結果、自分たちでつくるしかない。そのリアリティが、俺はすごく点々をやっていて面白いなと思う。そこを楽しんでくれる人は、すごく合うと思う。

何も決まってない中で、全部ゼロから1をつくろうとしてる。合理性もクソもないわけで。やっぱり、それは偏愛なんだよなっていう。その偏愛が結局、「これが正解だったね」って後から振り返って、それが自分たちのやり方になっていく。それをつくるしかない。だから、そこを走り抜ける人に来てほしいし、そこを一緒にやっていきたい。

羽田:俺らがやってることって、結構非合理だと思うんですよ。村にいっぱいいる鹿で、鹿の肉を使ったソーセージをつくるために、免許を取るところから始める。パンケーキミックスをつくるために、お米を育てるところから始める。鶏の糞を肥料にするところから始める。もっと効率よくやろうと思えば、いくらでもやり方はある。

でも、それがやりたいかと言ったら、そうじゃない。その非合理性でしかできない世界観があると思うんです。「点々ってどういうブランドなんですか」って聞かれた時に、商品を見たらちゃんとわかる。養鶏も、未利用資源を活用した資源循環型の平飼い養鶏だと言ってるから、当然鶏舎も木でつくる。一個一個に、ちゃんと筋が通ってる。手法の話ではなくて、俺たちが何を体現しているのか。そこを一緒に突き詰めて考えられる人と、これから出会えたらいいですね。

小さな集落から、まだない未来をつくっていく。

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